………最悪だ…。
ヒメ兄・チサトが転がり込んできてから一週間。
はっきりと喋る意味不明な寝言に毎晩悩まされている。
酒を飲むだけ飲んで寝てしまうヒメは爆睡だが、俺はそうじゃない。
一体どんな夢見てやがんだ、と思わず心の中でツッコんだ。
愛しのヒメとヒメ兄・チサトとの奇妙な同居生活で一番困ったのは、それぞれが寝る場所だった。
狭い部屋に、もちろんベッドは一つしかない。
今までは、まぁ当然だけど俺とヒメが同じベッドで眠っていた。
ヒメ兄・チサトが転がり込んできた時点で、まず俺がベッドで寝られないのは確定。
しかし、ヒメは床で眠ることを断固拒否。(いつも酔っ払って床に転がって寝てるんだが……。)
これに対して、ヒメ兄・チサトがどう出るのかと俺は気になった。
だが、さすがはワガママオヒメサマの兄である。
……自らも断固拒否しやがった。
互いに一歩も退かないワガママ兄妹。
結果、揉めまくった末にヒメとヒメ兄・チサトが一つのベッドで、オレが薄っぺらい布団を敷いて床で眠ることになった。