「はぁ、はぁ……。」
息を切らして部屋に飛び込む。
「……おでん…。」
まだ整わない息で、ヒメにおでんを渡した。
「わぁい。おでん〜。ありがとぉ。」
……っクソ………疲れた……。
俺の苦労を知ってか知らずか、ヒメは満面の笑みだ。
………腹減った。俺もメシ食お。
台所へ向かおうとした俺の背中にヒメは再び言った。
「ねぇ、カズキぃ。」
…………あぁ……聞かなかった事にしたい………。
「………なに?」
「あのね、アイス食べたい。」
「…………うん。」
「買ってきて。」
ニッコリ笑って、おでんを頬張るオヒメサマ。
愛しのオヒメサマの大好物は酒、おでん、そしてアイスクリーム。