愛しのオヒメサマの大好物は酒である。
一年ほど前から、この部屋で半同棲状態の俺には見慣れた光景だ。
のそのそと片付けをしている俺の背中に、ヒメは抱きついてきた。
「カズキー。」
「ん?」
「チューしよ!」
「……へっ!?」
思わず間抜けな声を出した俺の目に直撃する愛らしい上目遣い。
ヒメは、そのまま瞳を閉じた。
どくんと鳴る、俺の素直な心臓。
酒乱でワガママなオヒメサマには、こういう可愛い所があったりする。
照れくさくなり、「ったく、しょうがねぇな」なんて言いながら俺はヒメの肩に手を回し引き寄せた。
唇が触れる3秒前。
瞳を閉じた俺に事件勃発。