今夜もオヒメサマが来ているようだ。
思わず頬を緩めてしまいそうになる。
階段を上がり、部屋の鍵を開けた。
「ヒメー、ただいま。」
「おかえりぃ。」
部屋に入って、俺は早速呆れてしまった。
……まぁ、いつもの事だが………。
テーブルの上に散乱した缶ビールの空き缶。
焼酎のワンカップ。
ヒメの大きな瞳は、既にとろんとしている。
「もう出来上がってんじゃん。はい、もうお終い!」
「…………。」
ヒメは、俺を見上げて瞳を逸らさない。
いかにも、不服といった表情で。
俺は小さな溜め息を一つついて、テーブルの上の空き缶を片付けはじめた。