「お前……言いたいこといっぺんに言うなよ……」


陸が呆れてしかめっ面になる。


「うわっ、そ、そうだよね! 訳分からないよね」


あぁ。
どうして私っていつもこうなんだろう。

素敵な名言の一つも言って、悠太のこと送り出したかったのに……!
慌てふためく私を見て悠太が笑った。


「大丈夫、全部伝わってるよ!」


今度は私がきょとんとする番だ。


「へっ!?」


「まじで!?」


それを聞いた陸が早口で食い込む。


「じゃあ俺も言っとく! ……ありがとう、おめでとう!」


「陸、便乗しないでよー!」


笑っていた悠太の表情が少し曇る。


「俺からは……ごめん」


「え?」


「自分勝手に色々決めて、陸と志津の気持ちをかき回した。本当にごめん」


「そんな事ないよ!!」


思わず大きな声が出た。

自分勝手だったのは私の方だ。

色んな人に八つ当たりして、自分以外何も見えてなかった。


「すぐに言ってあげらんなくてごめん。本当におめでとう!」


「悠太、おめでとうぅ……っぐ」


陸が言葉に詰まる。こいつ、また泣いてる!


「陸の泣き虫! 笑顔で送り出すって言い出したのは、あんたでしょーが!」


陸の脇腹を小突いた。