「このまま終わるのかな、あっけないなー」と諦めていた後半。


ボランチから出されたパスを悠太がセンターサークル内で受け取り振り向くと、チラッとゴールを見た。

相手キーパーが少し前に出ていたのを見逃さなかった悠太は、そのまま右足を振りぬく。

超ロングシュートが決まった瞬間だった。

私の傘を持つ手は完全に固まっていたし、口を閉じることも忘れていた。ただただ、ぽかんとしていた。

悠太のシュートは相手校のベンチを


「うわ!すっげ!」


「何今の!!!!漫画じゃん!」


と騒然とさせたけれど、結果は1対2で1回戦敗退。

でも、今思えばこれが悠太にとってのターニングポイントだったんだ。

だって優勝候補の高校の選手を見に、スカウトとU-18日本代表監督が見に来ていたのだから。