受話器に手を伸ばす。

短く息を吐くと、一気に電話番号を押していく。



最後の一桁。



“3”をゆっくりと押した。



受話器の向こうから呼び出し音が鳴り響くと、すぐに『はい、もしもし?』と忙しそうな志津が電話に出た。



鼓動が早くなる。
ヤバイ、緊張で吐きそうだ。



“頑張れ、陸!”



遠くで悠太の声が聞こえた気がした。






よし、言ってやる!

俺は気合を入れた。




「あ、あのさ……っ!」




END