志津が、悠太を好きなのは知っていた。


中学の時、偶然読んでしまった志津の日記。

俺が読んだのは最初の2ページだけだった。
 

本人はカモフラージュで普通の日記を書いていたつもりだったらしいが、違う。

全くカモフラージュになんかなっていなかった。

読んでいるこっちが恥ずかしくなる程、悠太のことばかり書かれていたんだ。


その時、俺は史上最大にへこんだ!

何でへこんでいるのかなんか分からなかった。


いや、俺は知りたくなかったんだ。
自分の気持ちなんか知りたくない。


知れば、何かが壊れると思った。

 

悠太も、志津も、大事な2人だ。
 
 
俺の気持ちなんか関係ない。


だから、答えは決まっていた。


 
 

「……分かったよ、任せとけ!」