背中に容赦なく太陽が照りつける。

暑苦しい空気を裂くような声が、墓地の出口から聞こえてきた。


「志津ー! 終わったか?」


慌てて立ち上がると、お墓に向かって「またね」と呟いた。

急な階段を駆け下りて出口に向かうと、サッカーのユニフォームのまま陸が立っていた。

陸に会うのも久々だ。

1ヵ月前に会ったときより日焼けしていて、いつのまにかあごひげなんか生やしている。



「陸はお参りしないの?」


「いや、いい……悠太に呪われそうだ……」


目を逸らして陸が苦笑いをした。


「呪うわけないじゃん……」


「それに、毎月俺は墓参りしてるしな」


そう言うと、裏山の坂道を下り始めた。