色褪せたユニフォームに、少年たちと同じくらい真っ黒に日焼けした陸が遠くから私を睨みつける。

あ。やっぱり来たこと怒ってる……。


「志津も!! 先行ってろ!!」


少年達はボールを蹴る足を止めて、興味深そうに私をじっと見ていた。

これ以上生徒の前で陸に怒られたくはない。大人しく退散することにした。


「はぁーい……」


そう言って、グラウンドを後にしようと踵を返した時、さっきの少年がからかうように笑った。


「志津さん」


「ん?」