長く続く、大きく曲がりくねった石段の先に、あの頃と全く変わらない学校が私を待っていた。


「おぉ、懐かし……」


グラウンドでは今日もまた夢を追いかけて少年達がボールを蹴り上げていた。

あの頃と違うのはサッカー部の人数だ。ざっと見ただけで50人はいる。


やってるなぁ……。


懐かしい思いと頼もしい思いで彼らを見つめていると、私に気が付いたひとりの黒と白のボーダーのユニフォームを着た男の子がにこにこしながら駆け寄ってきた。


「こんにちはーっ!!」


真っ黒に日焼けしていて目がパッチリしている可愛らしい子だ。


「あ、こんにちは……？」


訳も分からず挨拶を返すと、男の子はくるっと振り向いてグラウンドの奥に向かって大声で叫んだ。


「先ー生ーっ!!　志津さんが来たよーっ」


あまりの大声に度肝を抜かれてきょとんとしていると、グラウンドの奥から懐かしい怒鳴り声が聞こえてきた。



「うるせぇっ、大声で叫ぶな!!」