陸の肩越しに、恐る恐る下に視線を移す。

あまりに突然で。出来すぎたタイミングで。

私も陸も、驚きの言葉も出ず、口をあんぐり開けてその場に突っ立っていた。


「ただいま」


陸と色違いのPUMAの白いサッカーバッグを肩から下げて、制服を着た彼が右手を挙げる。


笑うと細い目が更に細くなった。


「ゆっ……」


「悠太ぁあああ!!??」


「おう、久しぶりだな」


私と陸は同時に悠太に駆け寄って飛び付いた。

悠太を押し倒さんばかりの勢いで。


「う、うわっ!! 何だ何だ!!」


「悠太ぁー」


「おか……っ、おかえりぃぃぃ……っぐ」


2人とも悠太にしがみついて離れようとしなかった