3人を包み込むような、群青色の空気に浮き出る数え切れないほどの、光。


「すげぇ……」


「蛍……」


あの日とは比べものにならない程のたくさんの蛍が、私達を照らし出すかのように、3人の周りを飛んでいた。


陸の目に光が映りこむ。


「お盆には死んだ人が蛍になってこの世に帰ってくる……か……」


「誰がそんなこと言い出したんだろうな」



悠太が揺れ動く蛍の光を見上げた。

こんなに温かくて優しい光だから。

命の温かさに似ているって昔の誰かも思ったのかもしれない。



「私にも、この光が誰かの魂に見えるよ」