「俺なんか忘れて幸せになれって言いたいの?格好つけないでよ!絶対に忘れてなんかあげないんだから!」


私が叫ぶと、悠太の目から涙がこぼれ落ちた。


「何か言えよ、悠太……っ!」


それまで黙っていた陸が、声を荒げて私と悠太の間に割り入った。


「お前、志津に……伝えに来たんだろ!?死んでまでわざわざ伝えに来たんだろう!?」


「……違うよ」


目を真っ赤にした悠太が、下唇をかみ締めて、ぎこちない笑顔を浮かべた。

悠太がゆっくりとした口調で告げる。


「お前に……用があって来たんだ」


「……え?」


予想だにしていなかった返答に陸が固まる。

陸に……伝えたいこと……?



「それって……」


その時突然、光が消えて辺りが真っ暗になる。


「――!」