反射的に壁に掛けられた時計を見る。

23時ちょうど……。

時計の秒針は確実に時を刻んでいた。


その音に気持ちが焦る。

すべてが繋がった。



早くしなきゃ……!!


「ばあちゃん有難う!!」


「おいっ」


開けっ放しの引き戸から外へ走り出した。


きっと悠太は……私達を待ってる……。

駄菓子屋の横の細い道を駆け上る。

後ろから追いかけてくる陸が大きな声で問いかけた。


「志津! どこ行くんだよ!?」


「裏山!!」


「裏山ぁっ!?」


理解が出来ないといった風に陸が怪訝な声を出した。