「幽霊ねぇ……悠太が死んだのは14日だから、あの時はまだ生きていたんだよ。でも悠太の周りは冷たい空気が流れていたからねぇ……一目で分かったよ」


冷たい……空気……。

冷たかった手の感触が蘇ってくる。

ひとりぼっちになってしまった手に、ぎゅっと力を込めた。

ばあちゃんが続ける。


「悠太はきっと陸と志津には自分が危険な状態だってことを隠したかったんだよ」


「ばか悠太」私が小さく呟いた。


「昔みたいに、普通に遊びたかったんだろうねぇ」


それでも、話して欲しかった。

何で隠したりすんのよ。

私達、恐がりだから……逃げ出すとでも思った?

そんな訳ないじゃん。

なんの力にもなれなかった自分にやるせなさを感じた。