「こんな年寄りを置い先に逝ってしまうなんてねぇ……」

ばあちゃんが手で顔を覆う。

掛ける言葉が見つからなくて、ただただ、その場に突っ立っていた。

罪悪感が胸に広がる。

やっぱり……私はいつも自分の事ばかりだ。


悠太の悲しみにも、ばあちゃんの悲しみにも、気が付いてあげられなかった。

本題が出せないでいると、おずおずと言いにくそうに、でもしっかりとした口調で、陸が切り出した。



「ばあちゃんは、いつ……悠太が幽霊だって気が付いたの?」


憔悴しきった様子のばあちゃんは、手を下ろすとゆっくりと話し始めた。