「あの日、悠太が帰ってきた日……俺ら以外にも、もうひとり……あいつに会った人が居るんだ……」


陸の顔を見つめ返す。


「もう……ひとり……」


瞬間的にあの日感じた違和感と共に会話を思い出す。






『帰って……来てたのかい?』
『まあね』





そうだ。


「……ばあちゃん」


ぽつりと独り言の様に呟いた。

その声を陸はしっかり聞き取っていた。


陸が強く頷く。


「うん。あの時……ばあちゃん少し変だったよな?」