「何かあったのか―?」


うしろで弘人が叫ぶ。


あぁ、もう。
説明している時間がもったいない!


「悠太が帰ってくるのー!!!」


振り返ってそれだけ言うと、私はまた走り出した。


うしろでは弘人と後輩が「なぇええ!!??」と、聞いた事もない変な声を出している。


何よ、その声!

可笑しくって振り向いて笑ってやりたかったけど、構っている暇はない。


誰もが驚くビッグニュ―ス。

誰もが喜ぶビッグニュ―ス。

陸はどんな顔をするんだろう。


「陸、りく、リ―クっ」


唄を歌うように陸の名前を口ずさみながら走った。

ロ―ファ―に履き替えると、校庭を一気に突っ切って、校門から飛び出す。