その時。

床が軋む音がした。

ドアの隙間から、細い光が差し込んでいた。



コン……コン。


遠慮がちなノック。

ドア越しに聞こえたのはお兄ちゃんの声。


「志津……手紙、届いてるよ」


ドアの下の隙間から、すぅと手紙が入ってきた。

重い体を起こして手紙を拾うと、電気の紐を手繰り寄せる。

紐をぐっとひっぱるとバチバチと音を立てて白い光が付いた。


「まぶしい……」


久しぶりの光が目に刺さって痛い。