3人とも白い歯を出して満面の笑みで写っている、10歳。

『1等賞』と書かれた賞状を、3人で自慢げに見せている。


毎日走って遊んでるもの、そりゃあ1等賞になるわよね!って悠太のおばちゃんが笑っていたっけ。


さらにページをめくると、悠太と私が驚いた顔をしている写真。

14歳の冬。
学校帰りの海沿いの道で、陸が撮った1枚だ。

『悠太!志津!』と呼ばれて、振り返った瞬間だった。

真冬なのに悠太はコートも羽織っていない。

『コートは、ださいから』って変な信念持っちゃって、冬でも学ランにマフラー姿だった。

それでも悠太は風邪ひとつひかなかったよね。


最後のページ。

最後の写真は15歳。県大会で敗退した時の写真。

負けたのに皆笑ってる。
甲子園でもないのに勝手に練習場の砂持ってきて……『来年は、全国まで行くからここの砂持ってけねぇだろ』って。



陸はまた今年、県大会の砂を持って帰ったよ。