「陸……どうして……?」


「……」


「ねぇ……どうして?」


しかめっ面した陸の服を掴んで揺する。

陸は黙って私から目を逸らした。



「さっきまで一緒に居たんだよ?!一緒に自転車乗って、海行って……っ」



溢れた涙が唇に触れた。



キス……した……。

……唇……すごく冷たかった……。

指も背中も腕も……すごく冷たかった。



震える下唇で呟いた。



「好きって……伝えた……」



好きじゃないって言われちゃったけど……忘れてって言われちゃったけど……でも、もうそんなことどうだっていい。