違う……違う……!!!


このどうしようもない考えを頭から排除しようと無我夢中で走った。

考えれば考えるほど辻褄があってしまう。

自分の店の前を通りようとしたとき、ショウウインドウの中のテレビが目に入った。


普段ならまだ店のテレビが付いている時間じゃないのに。

肩で息をしながらテレビを見つめる。

そして、そこに映し出されている映像に唖然とした。

きれいなロンドンのレンガ造りの町並みの中で、バスが燃えていた。

真っ赤な火は、バスを黒く焦がし、どろどろに溶かしていた。


次々に搬送されていく怪我人達。

泣き叫ぶ人。