――『何だろう……心の中がもやもやする』
「まさか……」
――ありえない。
陸たちの嘘なんか信じたら……あとから皆に馬鹿にされる。
本当に志津は騙されやすいって絶対に笑われる……。
でも……じゃああの時感じた違和感は……。
「……っ」
頭で考えるよりも先に足が悠太の家に向かって走り出す。
「おいっ志津!?」
きっと家に帰ってる。
家に帰って今頃……おじちゃんにロンドンの話をしている。
私の感じた違和感なんて、きっとただの勘違いだ。
私の直感ほど信用出来ないものはないんだから。
冷え切った頭の中を昨日の会話がよぎる。