「分かった。何か連絡が来てるかもしれないし、俺とりあえず学校に行ってみるわ」


弘人が自転車を漕ぎ出したのと同時に、わらにもすがる思いで陸に詰め寄る。


「陸、今……弘人が……そしたら悠太が……」


頭が混乱する。

うまく話がまとまらない。

ようやく息が整ってきた陸が暗い声を出した。




「悠太が……事故で死んだ……」




――ジコ?




「……何、陸まで深刻な顔して!変な嘘付かないでよ!一瞬寒気したわ」


「嘘じゃない……」


「まだ言ってんの? それより、悠太が居なくなっちゃったんだよ。さっきまでここに居たのに」


「志津……」


「探しに行かなきゃ! 早く探さなきゃ来るのおせぇって怒られるよー」


「志津……!」


「くだらない事言ってないで早く行くよ!今日は学校に悠太連れてくんだから」


「……志津っ!!!! 嘘じゃねぇんだよ!!!」


陸が私の腕を物凄い力で強く掴んだ。


「痛いっ!!」


その手を思いっきり振りほどいた。