「え?」


突然止んだ車輪の音に、反射的に振り向いてしまう。

ずっと振り返ることをためらっていたのに。

自転車を押すのをやめた悠太はまっすぐに私を見ていた。

悠太の口が動く。


「……あのさ」


1時間の沈黙を破る言葉。

何を悠太が言いたいのかはまったく分からない。

でも、暗い悠太の表情を見ていれば、良い話じゃないことだけは分かる。

お願いだから、これ以上傷口を広げないで欲しい……。



「……あのな……俺……」




――聞きたくない!!




まぶたをぎゅっと固くつぶった、その時。