唇が離れると、ぎゅうっと強く抱きしめられた。


自分の鼓動が悠太にも伝わるほど強く、鳴っていた。

悠太の呼吸が耳元で聞こえる。


「俺も志津の事……好き……だった」


……『だった』。

最後の言葉が大きく心に響く。

肩を押し戻される。悠太が私を引き離す。



「ごめん、今は……志津のこと……好きじゃない」