陸があの時座っていた場所に、ふたりで座っていた。


サラサラとした砂がローファーの隙間から入ってくる。


悠太が目の前の砂で山を作りながら聞いた。


「それで? 志津は大学どうするんだよ」


「うーん……とりあえず、この町から出たいなぁと」


力なく答えた。

悠太が間髪を容れずに突っ込む。


「やりたいことは?」


「ない……なぁ……」


私の返答っていちいち情けない。

夢を追い続ける悠太と話していると、自分が本当にちっぽけに感じる。


「そっか、じゃあその点では陸の勝ちだな!」


……陸?