「じゃ、今から陸と仲直りしよ!」


キキィーと金属の錆付いた音がして、自転車が止まった。

反動で悠太の暖かい背中にぶつかる。


「え? 何突然……」


顔を上げると、いつのまにか海岸沿いのテトラポットは消えて目の前には真っ白な砂浜が広がっていた。

暗闇の中なのに白、と分かるくらい綺麗な砂。




そして……。



「陸……」



陸が砂浜にあぐらをかいて、海を見ながら座っていた。



「ほら、行って来い」



悠太が笑って、私の頭をぽんと叩いた。


また心臓が大きくどきんと脈打つ。