下まで降りていくと悠太が私の自転車を持って「行こ」と言った。


「え?どこに……」


「いいから、乗りな」


笑顔に促されて、荷台に乗る。

悠太は何も言わないで、海岸沿いを自転車で走り出す。

静かな波の音だけが心に響いた。

告白もしてないのに振られるのかな……。


胃が重くなる。


「陸が、日記読んだんだって?」


優しく聞く悠太の言葉が心に突き刺さる。



バレてる。私の気持ち。
もうだめだ。


振られて気まずくなって……私、どうしたらいいんだろ……。




ぎゅっと目を瞑る。