これ以上に最悪な展開はない。

幼なじみに恋なんかして、それが悠太にバレて気まずくなったら……。


露骨に迷惑な顔をされて避けられたら……


そんなの耐えられない!



想像しただけで、恐ろしい。

もうこの町に居られない。

あぁ、もう……消えちゃいたい。

私なんか居なかった事にしてほしい。


自分の事が嫌になる。



落ち込んでいると、開いた窓の外から「志津」と小声で
呼ぶ声がした。


「……?」


重い体を起こしてふらふらと窓に近寄る。


見下ろすと「よっ」と街灯に照らされた悠太がいた。



「ちょっと降りてきてよ」


「悠太……」



もう知っているんだろうか、私の気持ちを。