隣のクラスだった悠太は、廊下で会った時「え」と驚いた表情をしたけれど、私はすぐに視線を逸らした。


だって、陸はおもしろがって絶対悠太に言ったはずだ。


『志津って悠太のこと好きなんだってー!』とはしゃぎながら告げ口する陸の姿が容易に想像できる。


「最悪だ……」自分だけに聞こえる様に小さく呟く。


だいたいあいつに恋心なんて繊細なもの分かるわけがない。

もうダメだ……私の恋も、人生も、全部終わりだ……。

学校が終わると急いで家に帰って、制服のままベッドに倒れこんだ。