悠太の笑い声と車輪の音が、静かな夜の海岸に響き渡る。


「金属バット振り回して、陸のこと殺す気じゃん」


「……へへへー」


「笑い事じゃねぇけどな」


悠太が呆れた様に言った。



「学校行ったら陸も志津もあざだらけなんだもん。理由聞いてもふたりとも何も言わねぇしよ」


「陸、本気で殴り返して来るんだよ!?それで顔も体もあざだらけ。信じらんないよねアイツ!!」


思い出したらまた腹が立ってきた。

男同士でもないのに
取っ組み合いの喧嘩なんて。


「そりゃお前、武器持ってるんだから本気で抵抗するだろ」


「途中でバット取り上げられて、素手だったもん」


ぷぅと頬を膨らませてみせた。

ちょっと後ろを振り向いて悠太が笑う。