悠太が沈黙を破る。


「懐かしいな、この道。あの時もふたり乗りして浜辺まで行ったよな」


「え!?」


突然始めた悠太の思い出話に付いていけなくて聞き返す。


「何、志津忘れたのー?」


「ぅえー!? 思い出せないっ」


「志津と陸が大喧嘩した時だよ」


「……あぁ!」


忘れたくても忘れられない、最高に嫌な思い出。