少しずつ、少しずつスピードが上がってきて時々後ろに飛ばされそうな感覚になる。


「志津ー!ちゃんと掴まってないと危ねぇぞ」


風の音に消されないように、悠太が少し大きな声を出した。


「あ、う……うんっ」


腕を悠太のお腹の辺りにまわすと、硬い腹筋が腕に当たった。