陸を仲間外れにしたみたいでうしろめたい気持ちはあったけれど、即答した。

ふたりで海……!よっしゃっ!!

悠太に見えないように小さくガッツポーズをする。

私は悠太の様子がおかしい事なんてすっかり忘れてしまっていた。


「よし、決まり!!チャリ貸して」


「うん、取ってくる!待ってて」


店の横に置いてある自転車を取りに走る。

高校が山の上にあって通学に自転車が使えないので、自転車は休日くらいしか使わない。

だから私の自転車はかなり古い。

いわゆるママチャリ。車体の色はワインレッドだ。

肩に掛けていた指定カバンを、自転車の置いてあった所にぽんと放り投げた。

どうせ大した物も入ってないし邪魔なだけだ。