商店街の入り口にある看板の電球が一部切れてバチバチと耳障りな音を立てている。

悠太は立ち止まると看板を見上げた。


「懐かしいなぁ……」


「え?」


私が思わず聞き返したのと、ほぼ同時におおきなあくびをしていた陸が突っ込む。


「ん? 悠太まだ家帰ってねぇの?」


「陸、デカイあくびだな、カバかよ」


悠太が陸の言葉を無視して笑った。


「……」




――まただ。



今日、悠太は1回も家族の話をしていない。

私達が話をふっても必ずかわされてしまう。

何だろう……心の中がもやもやする。