「じゃあ、志津っ!! 行ってきます!」


私と真逆のテンションで陸が手を振る。


「うん、気を付けてー……」


ぼーっとする頭でひらひら手を振り返す。

陸は「おうっ」とにこっと笑って走り出した。


「ふぁ……」


再びあくびが出る。

ようやく行ったか……。

走り出した陸の後姿を見て、一気に目が覚めた。

腰パンのし過ぎで、制服の黒いズボンから青いチェックのパンツが見えている。
だらしないなぁ……。

ひとつため息をついて大声で叫んだ。


「陸ー!! ズボンあげなー!! パンツ出てるよー!!」


まだ薄暗い商店街に、私の声が響く。