教室の後ろにある陸のロッカーを開けると、グレーのパーカーが掛かっていて、その下に指定カバンが置いてある。


「意外にきれいじゃん……」


独り言を言いながら、パーカーをハンガーから取る。

もっと汚くて汗臭いかと構えたパーカーからは、洗剤のいい匂いがした。

指定カバンは置いたまま、ロッカーの鍵を閉めた。