階段を登りきった時、
2階の日当りの悪い一番奥の教室から、
先生の低い声が聞こえてきた。
「志津と陸は、またサボりか!」
その声を聞いた陸が「やっべ」と言って走り出す。
負けじと私も走り出す。
廊下に競うふたりの足音がばたばたとうるさく響いた。
「おはようございます!!」
勢い良くドアを開けた陸の肩越しに、ひょこっと顔を出す。
「おはようございます!!」
「お前ら、またばあさんの所でアイス食ってただろう」
真っ黒に日焼けした担任の森先生が、持っていたプリントの束で陸の頭をぽんと叩いた。
陸がにぃっと笑う。
「先生、今日のポロシャツ素敵ですね」
「いいから座れ」
褒められてまんざらでもない感じで、先生がにやけた。
「は―い」
陸が元気よく返事する。
本当にこいつは世渡り上手だなぁ、と私は半ば呆れて眺めていた。
2階の日当りの悪い一番奥の教室から、
先生の低い声が聞こえてきた。
「志津と陸は、またサボりか!」
その声を聞いた陸が「やっべ」と言って走り出す。
負けじと私も走り出す。
廊下に競うふたりの足音がばたばたとうるさく響いた。
「おはようございます!!」
勢い良くドアを開けた陸の肩越しに、ひょこっと顔を出す。
「おはようございます!!」
「お前ら、またばあさんの所でアイス食ってただろう」
真っ黒に日焼けした担任の森先生が、持っていたプリントの束で陸の頭をぽんと叩いた。
陸がにぃっと笑う。
「先生、今日のポロシャツ素敵ですね」
「いいから座れ」
褒められてまんざらでもない感じで、先生がにやけた。
「は―い」
陸が元気よく返事する。
本当にこいつは世渡り上手だなぁ、と私は半ば呆れて眺めていた。