悠太は「相変わらずだな」と懐かしそうに笑っていた。

私たちの喧嘩をそんな風に笑ってくれるのって、悠太くらいだ。

クラスの皆は『まぁた始まった……』ってうんざりした顔をする。

陸が私の前髪を引っ張ろうとした時悠太が優しく言った。


「ばあちゃん、大事にしてやれよ」


「……?あ、あぁ」


「も、もちろん」


陸に前髪を引っ張られ変な体勢のまま頷いた。


何だ……。
いきなり……。


悠太の言葉の意図が分からなくてふたりともしばらくそのまま固まっていた。