しばらくすると、ばあちゃんが「もういいよ、行きなさい」と言った。

すかさず悠太が歩き出す。

私としては、色々聞きたいこともあったけれど、聞いても誰も教えてくれないだろうと、何となく感じていた。


「いってきます」と、ばあちゃんに告げると、悠太の後を追った。


その時、後ろからばあちゃんの呟く声が聞こえた。




「伝えたいことはちゃんと伝えなさい」



私は「ん?」と振り向いたが、ばあちゃんは既に店に入って行くところだった。


「変なばあちゃん」


唇を尖らせる。


「もしかしてボケてきたのかな?」


「まぁ、確かにあんな風に怒ったりしたの初めて見たよな」