神様。 もう充分だろ? 風の行く手を阻むのは。 「自由に生きたらいい。お前が走れるところで、誰の目も気にしないで走ったらいい。…俺達の願いなんて結局、それだけなんだ」 俺も。 柚も。 雄大先輩も、隆志先輩も。 言うことはそれぞれ違う。 見る角度も、それぞれ違うから。 …けど。 「幸せになれ」 「…っ」 「お前は絶対……幸せにならなきゃ、だめなんだ…」 絶対。 …絶対、絶対、絶対…。