渇いた夜には酒と男と処方箋 〜目立たない事務員サキの、秘密のSNS恋愛相談室〜

火曜日の夜、相談箱に届いたメッセージは、いつもより長かった。

『サキさん、私は三十二歳です。彼は四十歳で、離婚歴があります。付き合って二年になりますが、彼の家に行ったことがありません。週末はほとんど会えず、会えるのは平日の夜だけです。

彼は仕事が忙しく、元妻との間に子どももいるので、休日はそちらを優先しているのだと思います。

私は彼を理解したいです。でも、最近、自分が何のために付き合っているのかわからなくなってきました。

彼にとって私は、本当に恋人なのでしょうか』

私は文章を二度読み返した。

事情があることと、相手を待たせ続けていいことは違う。

離婚歴がある。子どもがいる。仕事が忙しい。

どれも、簡単に切り捨てられない事情だ。

だが、事情が複雑だからといって、恋人の存在を曖昧にしていいわけではない。

私は返信を書き始めた。

『彼の事情を理解しようとしていることは、あなたの優しさだと思います。

でも、理解することと、自分の希望を捨てることを混同しないでください。

あなたは彼の生活に配慮しています。では、彼はあなたの生活に配慮しているでしょうか。

休日に会えない理由があるなら、平日に食事をするだけではなく、二人の関係について話し合う時間は作れるはずです。

あなたが欲しいのは、彼のすべてを独占することではないのかもしれません。

ただ、自分が恋人であると、安心して言える関係が欲しいのではありませんか』

そこで一度、指を止めた。