メイク・コンプレックス


 次の日は英語の小テストがあった。
 昨日はマンガを読むのに夢中で、小テストがあると授業で言っていたのをすっかり忘れていた。

 案の定、出来は散々だった。

「どうだった?」

 沙保に聞かれて、全然ダメ、と私は机に突っ伏す。

 チラリと望月さんを見ると、一瞬だけ目が合った。

 でも、すぐに気まずそうに目を逸らされてしまった。

 もっと話してみたいと思っていたけれど、望月さんは私とは話したくないかもしれない。

 そう思ったら、声をかけることができなかった。


 放課後。

 委員会を終えて下駄箱に向かうと、望月さんが立っていた。

「石井さん」

「えっ」

 名前を呼ばれて、私は驚いて望月さんの顔を見た。

 もしかして、私を待ってた?

 あの、と望月さんがぎこちない表情で続ける。

「昨日はごめんなさい。いまから時間ある?」

 私は目を見開いて、

「う、うん……っ!」

 大きくうなずいた。