インターハイ県予選、準決勝。第4クォーター残り三十秒。同点。
ルーズボールがサイドライン際へと転がった。浬は迷わず体を投げ出した。エースとして、このボールを拾わなければならない。その使命感だけで跳躍した。
ボールに手が届いた、と思った次の瞬間。
斜め後ろから飛び込んできた相手選手と、空中での体勢が崩れて交錯した。
嫌な角度で右足からコートに着地する。
——グシャリ。
体内で、湿った枝が折れるような、気味の悪い音が響いた。
「ぐっあっっ、、、!?」
激痛という概念を超えた衝撃が右膝を突き抜け、視界が真っ白に染まる。木床の上に転がり、悶絶する浬の耳に、甲高い審判の笛の音と、仲間たちの叫び声が遠くで聞こえた。
「浬っ!?」
「おい、大丈夫か!? 立ち上がるな、担架持ってこい!」
意識が途切れかける激痛の中で、浬の胸を駆け抜けたのは、冷酷なまでの「安堵」だった。
(ああ……もう、走らなくていいんだ)
(もう、シュートを決めなきゃいけないプレッシャーから、逃げられるんだ)
救急車のサイレンの音を聞きながら、浬はどこかでホッとしている自分に気づき、寒気を覚えた。
ルーズボールがサイドライン際へと転がった。浬は迷わず体を投げ出した。エースとして、このボールを拾わなければならない。その使命感だけで跳躍した。
ボールに手が届いた、と思った次の瞬間。
斜め後ろから飛び込んできた相手選手と、空中での体勢が崩れて交錯した。
嫌な角度で右足からコートに着地する。
——グシャリ。
体内で、湿った枝が折れるような、気味の悪い音が響いた。
「ぐっあっっ、、、!?」
激痛という概念を超えた衝撃が右膝を突き抜け、視界が真っ白に染まる。木床の上に転がり、悶絶する浬の耳に、甲高い審判の笛の音と、仲間たちの叫び声が遠くで聞こえた。
「浬っ!?」
「おい、大丈夫か!? 立ち上がるな、担架持ってこい!」
意識が途切れかける激痛の中で、浬の胸を駆け抜けたのは、冷酷なまでの「安堵」だった。
(ああ……もう、走らなくていいんだ)
(もう、シュートを決めなきゃいけないプレッシャーから、逃げられるんだ)
救急車のサイレンの音を聞きながら、浬はどこかでホッとしている自分に気づき、寒気を覚えた。



