蛍の季節に、キミはまた会いに来る


「何か手伝うよ」
「悪いな、あと5分待ってくれ。あ、シンクの上に置いてあるサラダ、テーブルに運んでおいてくれるか?」

指示されたシンクの上を見ると、木の丸皿に盛り付けられた色鮮やかなサラダが置かれていた。
……どうやらお父さんなりに、盛り付けの見た目も研究したらしい。

「お味噌汁もよそっちゃうね」
「そうしてくれると助かる」

お肉の火の通り具合を確かめるように、お父さんが真剣な顔でフライパンを覗き込みながら答える。
私は鍋から油揚げとワカメのお味噌汁をお椀によそい、お盆に乗せてテーブルへと運んだ。

「さーて、お待たせ! 今夜はハンバーグだぞ」

お父さんは出来立てのハンバーグが乗ったお皿を両手に持ち、コトンと音を立ててテーブルに並べた。
ソースの香りからして、デミグラスソースまで手作りしたみたいだ。
見た目も、思っていたよりずっと美味しそうに見える。

「どうだ? 今夜のメニュー、なんだか『SNSばえ』しそうだろう?」

お父さんの口から突然飛び出した不慣れなワードに、思わず吹き出してしまう。

「ふふ、どこで覚えたの、そんな言葉」

機械音痴でネットにも疎いはずなのに。