「雷は数kmの範囲でも発生するから、予報を見てドンピシャでそこにいるっていうことは出来ないみたいだ」
「そっか…。じゃ、ずっと一緒にいるしかないね♡」
「は…?」
また、朝倉がおかしなことを言い出した。
今までまったく接触などなかったくせに…。こいつ、なんなんだ?俺への気持ちを隠す気はあるのか…?!
「今日は取り敢えず、俺がここに泊まることにして…」
「朝倉が、ここに泊まる?!」
「もともと俺の家だし。来週から期末テストだろ?一緒に勉強するってことにして、週末も一緒にいよ…♡」
「は?!」
コンクールはが開催されるのは夏休みだから、その前に期末テストがある。このままだと、俺は朝倉としてテストを受けなければならない。
「……朝倉って、成績どんな感じ…?」
「え?まあ普通…?」
「普通……」
『普通』の捉え方って、人それぞれだ。それに文句を言うつもりはない。でも俺は、こいつが成績上位者で、イケメンなのに成績もよくてかっこいい~と女子に騒がれていることを思い出した。
「偏差値でいうと、いくつ?」
「偏差値…?」
「この間の模試で出たろ」
たしか模試の結果は返されたばかりだったはず。俺は勝手知ったる他人の、朝倉のリュックの中身を漁る。やはり、その結果用紙はあった。
「うわっ!なんだこれ…!!」
「え?そんなに悪かった…?」
悪いどころか、めちゃくちゃ良くて引いた。俺とは比べ物にならない…。
「どーすんだよ、これ…?!期末テストの前に入れ替わらないと、お前の成績が大変なことになるぞ!」
「てことはさ、黒瀬の志望大学どこ?」
「お前が絶対入らないところ…」
「すげーかしこいとこ?」
「その逆…っ!」
「具体的には?」
朝倉はちょっとワクワクした顔で、俺に尋ねる。
「言いたくない」
「そ、そっか…」
きっぱり断ったら、今度はしゅんとした。
朝倉が朝倉の時は、スンとしててこいつの気持ちなんてまるでわからなかったけど。今、朝倉は俺の顔だから、どんな気持ちで言ってるのか分かってしまう。
「取り敢えず、勉強しないと。朝倉、俺に勉強教えてくれよ…」
別に機嫌を取ろうとして言ったわけじゃない。本当に、勉強しないと朝倉の内申点にも影響するからだ。
「いいよ…!」
朝倉はすごく嬉しそうに微笑んだ。勉強教えてくれっていっただけなのに、喜び過ぎだろ…。
「じゃ、今日は泊まりで…♡」
「だめ。帰れ」
「帰りたくない…」
「帰れよ…!」
絶対に何か期待したような、キラキラした顔で朝倉は俺を見てくる。
「それにさ、サックスと、マリンバの練習もしないとじゃね…?」
「あ……」
そうだった。それが一番の問題だった。
体が戻る前に、このままだとコンクールメンバーから外されかねない…。みんなを誤魔化せるくらいにはサックスを吹けるようにならないと。
「うち、弱音器あるよ?」
「え、そうなの…?!」
弱音器は楽器に被せて音を小さくするための器具だ。防音室がない家で練習するのに非常に役立つ。高校生が買うには高価だが、それを持っているとは…。
「黒瀬もマリンバのマレットもってるだろ?一緒に練習しようぜ!」
マレットはマリンバを叩く専用のばちのこと。朝倉は俺のリュックにマイ・マレットが入っていることに気がついたようだ。
「……しょうがねえな…」
確かに、一緒にいれば雷が来たらすぐ対応できるし、勉強も楽器の練習もできる…。
「親に聞いてみる」
「やったー!」
俺たちはお互いの親にお願いし、朝倉の家に泊まる許可をとった。朝倉の親は俺のことを知っていたようで、思ったより歓迎された。うちの吹奏楽部は男子が二人しかいないから、当然仲がいいと思っていたらしい。
あっさり許可がでてホッとしたものの、すごくまずいことになったような気もする。
でも今は、元に戻ったときのダメージを少しでも軽くすることが重要!俺たちはまず先に、勉強に取り掛かることにした。
「そっか…。じゃ、ずっと一緒にいるしかないね♡」
「は…?」
また、朝倉がおかしなことを言い出した。
今までまったく接触などなかったくせに…。こいつ、なんなんだ?俺への気持ちを隠す気はあるのか…?!
「今日は取り敢えず、俺がここに泊まることにして…」
「朝倉が、ここに泊まる?!」
「もともと俺の家だし。来週から期末テストだろ?一緒に勉強するってことにして、週末も一緒にいよ…♡」
「は?!」
コンクールはが開催されるのは夏休みだから、その前に期末テストがある。このままだと、俺は朝倉としてテストを受けなければならない。
「……朝倉って、成績どんな感じ…?」
「え?まあ普通…?」
「普通……」
『普通』の捉え方って、人それぞれだ。それに文句を言うつもりはない。でも俺は、こいつが成績上位者で、イケメンなのに成績もよくてかっこいい~と女子に騒がれていることを思い出した。
「偏差値でいうと、いくつ?」
「偏差値…?」
「この間の模試で出たろ」
たしか模試の結果は返されたばかりだったはず。俺は勝手知ったる他人の、朝倉のリュックの中身を漁る。やはり、その結果用紙はあった。
「うわっ!なんだこれ…!!」
「え?そんなに悪かった…?」
悪いどころか、めちゃくちゃ良くて引いた。俺とは比べ物にならない…。
「どーすんだよ、これ…?!期末テストの前に入れ替わらないと、お前の成績が大変なことになるぞ!」
「てことはさ、黒瀬の志望大学どこ?」
「お前が絶対入らないところ…」
「すげーかしこいとこ?」
「その逆…っ!」
「具体的には?」
朝倉はちょっとワクワクした顔で、俺に尋ねる。
「言いたくない」
「そ、そっか…」
きっぱり断ったら、今度はしゅんとした。
朝倉が朝倉の時は、スンとしててこいつの気持ちなんてまるでわからなかったけど。今、朝倉は俺の顔だから、どんな気持ちで言ってるのか分かってしまう。
「取り敢えず、勉強しないと。朝倉、俺に勉強教えてくれよ…」
別に機嫌を取ろうとして言ったわけじゃない。本当に、勉強しないと朝倉の内申点にも影響するからだ。
「いいよ…!」
朝倉はすごく嬉しそうに微笑んだ。勉強教えてくれっていっただけなのに、喜び過ぎだろ…。
「じゃ、今日は泊まりで…♡」
「だめ。帰れ」
「帰りたくない…」
「帰れよ…!」
絶対に何か期待したような、キラキラした顔で朝倉は俺を見てくる。
「それにさ、サックスと、マリンバの練習もしないとじゃね…?」
「あ……」
そうだった。それが一番の問題だった。
体が戻る前に、このままだとコンクールメンバーから外されかねない…。みんなを誤魔化せるくらいにはサックスを吹けるようにならないと。
「うち、弱音器あるよ?」
「え、そうなの…?!」
弱音器は楽器に被せて音を小さくするための器具だ。防音室がない家で練習するのに非常に役立つ。高校生が買うには高価だが、それを持っているとは…。
「黒瀬もマリンバのマレットもってるだろ?一緒に練習しようぜ!」
マレットはマリンバを叩く専用のばちのこと。朝倉は俺のリュックにマイ・マレットが入っていることに気がついたようだ。
「……しょうがねえな…」
確かに、一緒にいれば雷が来たらすぐ対応できるし、勉強も楽器の練習もできる…。
「親に聞いてみる」
「やったー!」
俺たちはお互いの親にお願いし、朝倉の家に泊まる許可をとった。朝倉の親は俺のことを知っていたようで、思ったより歓迎された。うちの吹奏楽部は男子が二人しかいないから、当然仲がいいと思っていたらしい。
あっさり許可がでてホッとしたものの、すごくまずいことになったような気もする。
でも今は、元に戻ったときのダメージを少しでも軽くすることが重要!俺たちはまず先に、勉強に取り掛かることにした。

