「何なんだよ、もう…」
スマートフォンはブラックボックスだ。もう、見るのはやめよう。
そう思って閉じようとしたら『新しいログインがありました』というSNSの通知が表示された。
「何だこれ…?!」
これ、いつもとは別のパソコンやスマートフォンからログインすると通知されるやつだ。
つまりあいつが、俺の端末から自分のSNSにログインしたってこと?
「やっぱあいつ、俺のスマホ見てやがる…っ!」
自分のことは棚に上げ、俺は怒ってSNSのアプリを開いた。
SNSのアプリはログアウトされていたようでロック画面が表示された。ひょっとして朝倉、俺に見られる事を危惧して遠隔でログアウトしたな…?
隠し撮りなんかしてたくせに、こざかしい奴だ…。
「Face IDーー!!」
魔法のように唱えると、顔認証でIDとパスワードが自動入力され、あっさりとログインできた。
ははは!!隠しても無駄だっ!バカなやつ~~!!
SNSのホーム画面をみても、特に何も変わった様子はない。
しかし、少しだけ気になることがあった。そのSNSは本来、写真や動画をフォロワーと共有して楽しむためのものなのだが、朝倉のフォロワーは…。
「フォロワー数、ゼロ…?」
朝倉はSNSはやっていないといって、連絡は全てショートメールを使っている。
でも本当はアカウントがあったってことは、これは秘密の鍵垢…?
朝倉の秘密が、ここに…!
すこしドキドキしながらプロフィールアイコンをタップすると、投稿が整然と表示された。
メモアプリで作られた文章のスクリーンショットがたくさん投稿されている。とりあえず、今日の夕方の投稿を開いた。
『今日、かなDに呼び出された。みんなのいるところでは言えない話だって。告白…ではないとは思うけど期待してしまう』
かなDって誰…?まさか、俺の下の名前、奏の隠語…?
さっきの写真といい、意図が分からず、俺は他の投稿も確認する事にした。
『かなD、今日もかわいい。付き合いたい。百万歩譲ってかなDのリュックになりたい。上履きも捨てがたい』
『俺とかなDは何でクラス違うんだ?三年連続別のクラスってそんな奇跡ある?先生に聞いてみよう!』
『個人情報だから教えられないって…。そんなことあっていいのか』
『かなDが部活の時座った椅子を確保した!明日は俺が座った椅子と交換して、擬似俺の膝に座った体験をする』
『擬似体験した。死ぬかと思った。次はかなDと同じペットボトルを買って、すり替えたら…、擬似間接キスだ!だめだ、それは犯罪…っ』
先生ーーっ!
こここ、ここに、犯罪者がいますッ!!!!
今日呼び出したの俺だけだし、かなDって、信じたくないけど俺だよな…?それにあの大量の写真。
そう言えばさっきも、俺とキスしたかったみたいな事、言ってたし。
朝倉、あいつって俺のこと、好きなの……?!
でも好きの方向性…、間違えてない?!
朝倉の裏情報が多すぎて、処理しきれない。それに俺は男を恋愛対象として見たことがない…。
部屋の中で戸惑っていると、朝倉のお母さんに大きな声で呼ばれた。
「玲央~!夕飯の前にお風呂入っちゃいなさい~!」
「う、うん…」
我が家は寝る前に入浴する派なのだが、朝倉の家は夕飯の前に入る派のようだ。郷に入っては郷に従えという。不審に思われないよう、指示に従う事にした。
制服を脱いで、ベッドに脱ぎ捨ててあったジャージを着てから一階に降りる。
すると、一階のリビングと思われる扉が開き、朝倉のお母さんが顔を出した。
「珍しく、素直じゃない。どうしたの…?!」
「え…?」
朝倉って、もう高3だけど反抗期真っ盛りなの…?俺は動揺を誤魔化しつつ答える。
「さっき雨に濡れたから、気持ち悪くて」
「風呂キャンセル界隈の住人なのに珍しい~!雷にでも打たれた?」
朝倉のお母さんはふふ、と楽しそうに笑った。
女の勘すげぇ…正解~!!そうなんだよ、キスした時雷が落ちて、俺たちは入れ替わったんだ…。
そして俺の勘もまあまあ冴えていた。
風呂場っぽい扉を開けると、予想通り脱衣所を見つけた。
風呂に入るためジャージと、下着も全部脱ぐ。
「うわ……っ!」
裸になると、朝倉のガタイの良さに思わず声が出た。
身長が高いことはわかっていた。でも、制服姿の時はむしろ細身だと思っていたのだが、脱ぐと引き締まった体が現れた。腹は六個に割れているし、胸板や肩、腕にもほどよく筋肉がついている。
な、なんだこの、均整の取れたかっこいい体は…!?
「腹筋シックスパックじゃん…!」
筋肉に驚いたのも束の間。更にその下に視線を向けると…。
「ファーーーーっ!!!!」
朝倉の大根…、じゃない。太い根…でもない、男根が現れ、俺は完全にノックアウトされた。
な、な、な、なんだこの凶器はぁー?!このサイズ…、男のロマンが過ぎるだろぉー!!!!『人間は夢見る葦である~パスカル~』なんだぞ?!何、実現してんだよっ!
あまりの衝撃で暫く動けなかったのだが、取り敢えず風呂に入ろうとのそりと動いてハッとした。
「まさか、朝倉も俺の……?!」
まずい、あいつに俺のかわいい根、じゃないヤングコーンを見せるわけにはいかないっ!!
俺はTシャツとパンツだけ着ると、脱衣所を飛び出した。
部屋に戻って、急いで朝倉に電話をかける。
「もしもし?」
「朝倉!お前、風呂入るの禁止な…!!」
「え、なんで?やだよ。ちょっと汗かいちゃってるし…」
「いいよ、汗くらいで死なねーよ!」
「ダメだって!黒瀬のお母様もお風呂に入れって言ってるしっ!」
「お母様って誰だよ?!」
部屋で言い争いをしていると、また、朝倉のお母さんに呼ばれた。
「玲央~、何やってるの~。早くお風呂入っちゃって~」
「あ、、うん…」
他人のお母さんに『今電話してんだよ!』と怒鳴れない。やんわりと返事をすると、電話口の朝倉が畳み掛ける。
「ほら、呼ばれてるじゃん」
「そうだけど、とにかく風呂は…」
「さっき雨で濡れちゃったから、黒瀬の体を温めないと…♡」
「そんなの大丈夫だよ!いいから入るな!あと、とにかく服は脱ぐな!」
「何だよ恥ずかしがるなよ!大丈夫だよ、俺たち男同士だろ!」
確かに俺たちは男同士だ。いつもなら気にしないけど、お前、かなDの座った椅子に興奮してた変態じゃねーか…っ!
しかもいつも風呂キャンのくせに、今日に限って速攻で風呂入ろうとしやがって!お前、俺の体をどうする気だ?!
「じゃ、そういうことだから」
「ま、待てよ朝倉!」
プツっと通話が切れて、俺はガクッと崩れ落ちた。
スマートフォンはブラックボックスだ。もう、見るのはやめよう。
そう思って閉じようとしたら『新しいログインがありました』というSNSの通知が表示された。
「何だこれ…?!」
これ、いつもとは別のパソコンやスマートフォンからログインすると通知されるやつだ。
つまりあいつが、俺の端末から自分のSNSにログインしたってこと?
「やっぱあいつ、俺のスマホ見てやがる…っ!」
自分のことは棚に上げ、俺は怒ってSNSのアプリを開いた。
SNSのアプリはログアウトされていたようでロック画面が表示された。ひょっとして朝倉、俺に見られる事を危惧して遠隔でログアウトしたな…?
隠し撮りなんかしてたくせに、こざかしい奴だ…。
「Face IDーー!!」
魔法のように唱えると、顔認証でIDとパスワードが自動入力され、あっさりとログインできた。
ははは!!隠しても無駄だっ!バカなやつ~~!!
SNSのホーム画面をみても、特に何も変わった様子はない。
しかし、少しだけ気になることがあった。そのSNSは本来、写真や動画をフォロワーと共有して楽しむためのものなのだが、朝倉のフォロワーは…。
「フォロワー数、ゼロ…?」
朝倉はSNSはやっていないといって、連絡は全てショートメールを使っている。
でも本当はアカウントがあったってことは、これは秘密の鍵垢…?
朝倉の秘密が、ここに…!
すこしドキドキしながらプロフィールアイコンをタップすると、投稿が整然と表示された。
メモアプリで作られた文章のスクリーンショットがたくさん投稿されている。とりあえず、今日の夕方の投稿を開いた。
『今日、かなDに呼び出された。みんなのいるところでは言えない話だって。告白…ではないとは思うけど期待してしまう』
かなDって誰…?まさか、俺の下の名前、奏の隠語…?
さっきの写真といい、意図が分からず、俺は他の投稿も確認する事にした。
『かなD、今日もかわいい。付き合いたい。百万歩譲ってかなDのリュックになりたい。上履きも捨てがたい』
『俺とかなDは何でクラス違うんだ?三年連続別のクラスってそんな奇跡ある?先生に聞いてみよう!』
『個人情報だから教えられないって…。そんなことあっていいのか』
『かなDが部活の時座った椅子を確保した!明日は俺が座った椅子と交換して、擬似俺の膝に座った体験をする』
『擬似体験した。死ぬかと思った。次はかなDと同じペットボトルを買って、すり替えたら…、擬似間接キスだ!だめだ、それは犯罪…っ』
先生ーーっ!
こここ、ここに、犯罪者がいますッ!!!!
今日呼び出したの俺だけだし、かなDって、信じたくないけど俺だよな…?それにあの大量の写真。
そう言えばさっきも、俺とキスしたかったみたいな事、言ってたし。
朝倉、あいつって俺のこと、好きなの……?!
でも好きの方向性…、間違えてない?!
朝倉の裏情報が多すぎて、処理しきれない。それに俺は男を恋愛対象として見たことがない…。
部屋の中で戸惑っていると、朝倉のお母さんに大きな声で呼ばれた。
「玲央~!夕飯の前にお風呂入っちゃいなさい~!」
「う、うん…」
我が家は寝る前に入浴する派なのだが、朝倉の家は夕飯の前に入る派のようだ。郷に入っては郷に従えという。不審に思われないよう、指示に従う事にした。
制服を脱いで、ベッドに脱ぎ捨ててあったジャージを着てから一階に降りる。
すると、一階のリビングと思われる扉が開き、朝倉のお母さんが顔を出した。
「珍しく、素直じゃない。どうしたの…?!」
「え…?」
朝倉って、もう高3だけど反抗期真っ盛りなの…?俺は動揺を誤魔化しつつ答える。
「さっき雨に濡れたから、気持ち悪くて」
「風呂キャンセル界隈の住人なのに珍しい~!雷にでも打たれた?」
朝倉のお母さんはふふ、と楽しそうに笑った。
女の勘すげぇ…正解~!!そうなんだよ、キスした時雷が落ちて、俺たちは入れ替わったんだ…。
そして俺の勘もまあまあ冴えていた。
風呂場っぽい扉を開けると、予想通り脱衣所を見つけた。
風呂に入るためジャージと、下着も全部脱ぐ。
「うわ……っ!」
裸になると、朝倉のガタイの良さに思わず声が出た。
身長が高いことはわかっていた。でも、制服姿の時はむしろ細身だと思っていたのだが、脱ぐと引き締まった体が現れた。腹は六個に割れているし、胸板や肩、腕にもほどよく筋肉がついている。
な、なんだこの、均整の取れたかっこいい体は…!?
「腹筋シックスパックじゃん…!」
筋肉に驚いたのも束の間。更にその下に視線を向けると…。
「ファーーーーっ!!!!」
朝倉の大根…、じゃない。太い根…でもない、男根が現れ、俺は完全にノックアウトされた。
な、な、な、なんだこの凶器はぁー?!このサイズ…、男のロマンが過ぎるだろぉー!!!!『人間は夢見る葦である~パスカル~』なんだぞ?!何、実現してんだよっ!
あまりの衝撃で暫く動けなかったのだが、取り敢えず風呂に入ろうとのそりと動いてハッとした。
「まさか、朝倉も俺の……?!」
まずい、あいつに俺のかわいい根、じゃないヤングコーンを見せるわけにはいかないっ!!
俺はTシャツとパンツだけ着ると、脱衣所を飛び出した。
部屋に戻って、急いで朝倉に電話をかける。
「もしもし?」
「朝倉!お前、風呂入るの禁止な…!!」
「え、なんで?やだよ。ちょっと汗かいちゃってるし…」
「いいよ、汗くらいで死なねーよ!」
「ダメだって!黒瀬のお母様もお風呂に入れって言ってるしっ!」
「お母様って誰だよ?!」
部屋で言い争いをしていると、また、朝倉のお母さんに呼ばれた。
「玲央~、何やってるの~。早くお風呂入っちゃって~」
「あ、、うん…」
他人のお母さんに『今電話してんだよ!』と怒鳴れない。やんわりと返事をすると、電話口の朝倉が畳み掛ける。
「ほら、呼ばれてるじゃん」
「そうだけど、とにかく風呂は…」
「さっき雨で濡れちゃったから、黒瀬の体を温めないと…♡」
「そんなの大丈夫だよ!いいから入るな!あと、とにかく服は脱ぐな!」
「何だよ恥ずかしがるなよ!大丈夫だよ、俺たち男同士だろ!」
確かに俺たちは男同士だ。いつもなら気にしないけど、お前、かなDの座った椅子に興奮してた変態じゃねーか…っ!
しかもいつも風呂キャンのくせに、今日に限って速攻で風呂入ろうとしやがって!お前、俺の体をどうする気だ?!
「じゃ、そういうことだから」
「ま、待てよ朝倉!」
プツっと通話が切れて、俺はガクッと崩れ落ちた。

