「森川~」
甲高い声と共に、ズシンと乗っかられた反動でペシャリと潰れる僕。
「おはよう、森川。大丈夫?」
潰れた僕の顔を覗き込む支倉先輩に、
「大丈夫……くないです」
潰れたままの僕が答える。
「小泉! ほら、森川から退いて!」
「え~! 何でだよ」
「森川が可哀想だろう?」
支倉先輩の言葉に、僕も、
「そーだ! そーだ!」
と叫んだ。
小泉先輩は僕に乗ったまま、
「支倉! 前から思ってたけど、お前は俺より森川の方が大事なのか? いっつも俺を悪者にして!」
と、文句を言っている。
いや、大事とか大事じゃないとか以前に、なんで航大じゃなくて僕に飛び乗るかな?
そう思っていると、
「俺たちは上級生なんだから、お手本になるようにだな……」
と、支倉先輩がたしなめた。
「お手本? 俺とおまえが? ……本気で言ってるのか?」
小泉先輩が真剣に訴えている。
「……それはだな」
「支倉、森川の前だからって、カッコつけんなよ。所詮、お前はお前だ!」
ポンポンと支倉先輩の肩を叩く小泉先輩に、
「支倉先輩は、カッコイイです!」
と叫んでいた。
「はぁ?」
呆れた顔をした小泉先輩に、
「支倉先輩は、優しくてカッコイイです。僕の憧れです!」
そう叫んだ僕に、小泉先輩がププッと笑いながら、
「森川、こいつの本性を知っても、そう言えるのかな?」
とかほざいた。
「僕は……僕は……どんな支倉先輩も大好きです!」
叫んだ後、真っ赤になった。
すると支倉先輩まで真っ赤になった。
「あ……、ありがとう」
と言われてしまい、何故か僕と支倉先輩はもじもじしてしまう。
その時、少し離れた場所で眼鏡を光らせているのじちゃんの気配を感じた。
パッと視線を感じる方を見ると、のじちゃんだけじゃなく、及川部長も立っていた。
そして二人、息ぴったりに親指を立てて微笑んでいるじゃないか!
(うわぁぁぁぁぁ! ネタにされたらどうしよう!)
と、動揺していると、
「なんだよ、お前ら。男同士でピンクの空気だすなよ! 気持ち悪いな!」
とか、小泉先輩が言い出した。
「はぁ?」
怒り出しそうになった僕に、
「はいはい、小泉はヤキモチ妬かない。森川に好いてもらう努力しような~」
と、支倉先輩が小泉先輩の言葉を流している。
(さすが支倉先輩! 器が雛人形の盃なみに小さい小泉先輩とは、えらい違いだよ!)
心の中で小泉先輩に毒づいていた。
すると、
「はぁ? ヤキモチってなんだよ!」
「だって小泉、森川のことを弟みたいで可愛いって言ってたじゃないか」
「言ってない! 支倉、勝手に話を盛るなよな!」
そう言って小泉先輩が怒り出し、下駄箱へと歩き出した。
そんな小泉先輩の後ろ姿を見ながら、
「本当に素直じゃないんだから……」
呆れた顔をして支倉先輩が呟いた。
「ごめんね。あいつ、上に兄貴一人の末っ子でさ。森川、小泉より小さいじゃん? だから、可愛がってるんだよ。ああ見えて」
そう言って苦笑いした。
「小泉先輩、二人兄弟なんですか」
何気なく呟いた僕の言葉に、
「森川は、一人っ子でしょう?」
と言われた。
「え? ……そうです……けど」
「ふふふ、一人っ子っぽいよね」
そう言われて、頭を撫でられた。
「じゃあ、へそを曲げちゃった小泉のフォローに行くから」
と言われ、支倉先輩が去って行った。
残された僕と航大と夏帆。
僕は二人を見て、
「僕って……一人っ子っぽいの?」
と聞くと、
「え? っぽいじゃなくて、まんま一人っ子じゃん」
航大にそう返されて、
「そうだけど……。ほら、学級委員をやって、少しはお兄ちゃんっぽくなってない?」
期待に満ちた顔で二人を見た。
二人は顔を見合わせると、
「全然!」
と、息ぴったりに答えた。
「何でだよ!」
怒る僕に、航大も夏帆も肩をすくめるだけ。
納得いかない僕は、教室に着いてからも、のじちゃんや他のクラスメイトに、
「僕、何人兄弟でしょう?」
って、敢えて兄弟がいるみたいな聞き方をして回ったのに、みんながみんな、
「一人っ子」
って答えるんだよ!
僕は、心の底から叫びたい。
「一人っ子っぽいって、なんだよーー!!」
甲高い声と共に、ズシンと乗っかられた反動でペシャリと潰れる僕。
「おはよう、森川。大丈夫?」
潰れた僕の顔を覗き込む支倉先輩に、
「大丈夫……くないです」
潰れたままの僕が答える。
「小泉! ほら、森川から退いて!」
「え~! 何でだよ」
「森川が可哀想だろう?」
支倉先輩の言葉に、僕も、
「そーだ! そーだ!」
と叫んだ。
小泉先輩は僕に乗ったまま、
「支倉! 前から思ってたけど、お前は俺より森川の方が大事なのか? いっつも俺を悪者にして!」
と、文句を言っている。
いや、大事とか大事じゃないとか以前に、なんで航大じゃなくて僕に飛び乗るかな?
そう思っていると、
「俺たちは上級生なんだから、お手本になるようにだな……」
と、支倉先輩がたしなめた。
「お手本? 俺とおまえが? ……本気で言ってるのか?」
小泉先輩が真剣に訴えている。
「……それはだな」
「支倉、森川の前だからって、カッコつけんなよ。所詮、お前はお前だ!」
ポンポンと支倉先輩の肩を叩く小泉先輩に、
「支倉先輩は、カッコイイです!」
と叫んでいた。
「はぁ?」
呆れた顔をした小泉先輩に、
「支倉先輩は、優しくてカッコイイです。僕の憧れです!」
そう叫んだ僕に、小泉先輩がププッと笑いながら、
「森川、こいつの本性を知っても、そう言えるのかな?」
とかほざいた。
「僕は……僕は……どんな支倉先輩も大好きです!」
叫んだ後、真っ赤になった。
すると支倉先輩まで真っ赤になった。
「あ……、ありがとう」
と言われてしまい、何故か僕と支倉先輩はもじもじしてしまう。
その時、少し離れた場所で眼鏡を光らせているのじちゃんの気配を感じた。
パッと視線を感じる方を見ると、のじちゃんだけじゃなく、及川部長も立っていた。
そして二人、息ぴったりに親指を立てて微笑んでいるじゃないか!
(うわぁぁぁぁぁ! ネタにされたらどうしよう!)
と、動揺していると、
「なんだよ、お前ら。男同士でピンクの空気だすなよ! 気持ち悪いな!」
とか、小泉先輩が言い出した。
「はぁ?」
怒り出しそうになった僕に、
「はいはい、小泉はヤキモチ妬かない。森川に好いてもらう努力しような~」
と、支倉先輩が小泉先輩の言葉を流している。
(さすが支倉先輩! 器が雛人形の盃なみに小さい小泉先輩とは、えらい違いだよ!)
心の中で小泉先輩に毒づいていた。
すると、
「はぁ? ヤキモチってなんだよ!」
「だって小泉、森川のことを弟みたいで可愛いって言ってたじゃないか」
「言ってない! 支倉、勝手に話を盛るなよな!」
そう言って小泉先輩が怒り出し、下駄箱へと歩き出した。
そんな小泉先輩の後ろ姿を見ながら、
「本当に素直じゃないんだから……」
呆れた顔をして支倉先輩が呟いた。
「ごめんね。あいつ、上に兄貴一人の末っ子でさ。森川、小泉より小さいじゃん? だから、可愛がってるんだよ。ああ見えて」
そう言って苦笑いした。
「小泉先輩、二人兄弟なんですか」
何気なく呟いた僕の言葉に、
「森川は、一人っ子でしょう?」
と言われた。
「え? ……そうです……けど」
「ふふふ、一人っ子っぽいよね」
そう言われて、頭を撫でられた。
「じゃあ、へそを曲げちゃった小泉のフォローに行くから」
と言われ、支倉先輩が去って行った。
残された僕と航大と夏帆。
僕は二人を見て、
「僕って……一人っ子っぽいの?」
と聞くと、
「え? っぽいじゃなくて、まんま一人っ子じゃん」
航大にそう返されて、
「そうだけど……。ほら、学級委員をやって、少しはお兄ちゃんっぽくなってない?」
期待に満ちた顔で二人を見た。
二人は顔を見合わせると、
「全然!」
と、息ぴったりに答えた。
「何でだよ!」
怒る僕に、航大も夏帆も肩をすくめるだけ。
納得いかない僕は、教室に着いてからも、のじちゃんや他のクラスメイトに、
「僕、何人兄弟でしょう?」
って、敢えて兄弟がいるみたいな聞き方をして回ったのに、みんながみんな、
「一人っ子」
って答えるんだよ!
僕は、心の底から叫びたい。
「一人っ子っぽいって、なんだよーー!!」

